『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』
『パイレーツ~』は、ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイの3人を軸に展開する海賊アクション大作。この映画は前作も含め、ジョニー・デップ扮するジャック・スパロウ船長の立ち位置が絶妙。ハリウッド映画の場合、役者の人気の高さがそのまま物語における役割のウェイトに反映する。本シリーズでも断然ジョニー・デップが主役を演じるのかと予想される。だが、メインストリームのドル箱映画より作家性の強...
View Article『グエムル~漢江の怪物~』。
『グエムル~漢江の怪物~』は、『殺人の追憶』のポン・ジュノが撮ったモンスター・パニック映画。ちょうどこの前ソウルに行ってきてばかりで、市内の中央を流れる大河、漢江(ハンガン)を目の当たりにしてきただけに、なるほどと実感できる部分も多かった。漢江はソウルのセーヌ河なんぞとも言われるようだが、大都市を貫く大河を映画の舞台にできるのは特権的な幸せであり、東京人にとっては羨ましい限りだと思った。ジャンルは違...
View Article『マイアミ・バイス』 マイケル・マン
来ました、今年一番ツボにはまった映画。うまく言えそうにもないけど、すごく新鮮な触感にあふれた映画だ。監督は、闘う男の美学を描かせたら右に出る者なし、と評されるマイケル・マン。代表作『ヒート』、『コラテラル』。CASTも豪華。マイアミ警察特捜課(バイス)の刑事コンビを演じるのは、人気・実力ともにうなぎ上りのコリン・ファレルと、『Ray/レイ』でアカデミー主演男優賞を獲得した黒人俳優・ジェイミー・フォッ...
View Article『小説の誕生』 保坂和志
『小説の自由』に続く保坂和志の文芸批評。保坂自身は、「この本は文芸批評でなく、小説そのものである」と言っているが、その発言には疑問が残る。これは確かに普通の文芸批評ではないが、小説と言い切ることもできない気がする。いずれにせよ、読みでのある分厚い本だ。確かに保坂自身がソフトカバーであるにもかかわらず、このように自力で立つ!!「一晩で読んだ」「一気に読んだ」などと言わせない。それなのに税込み1995円...
View Article『パプリカ』 今敏×筒井康隆
ここ2,3日ほど不眠状態だったが、眠い目をこすりながら頑張って『パプリカ』を観に行ったら、まんまと”夢”を題材にした映画だった。しかしこれが面白くて、逆に覚醒させられた。上映後にはすっかり、受付で『サントラ』と筒井康隆原作の文庫を求める男、になっていた。最近、『夢』を題材にした映画が多い。これには何かはっきりした意味がありそうだ。いやいや、それは今にはじまったことじゃない。昔から夢は映画の題材の宝庫...
View Article『Shall we ダンス?』 周防正行
年が明けてもTUTAYA通いの日々が続く。11年ぶりの周防正行作品『それでも僕はやってない』に先立ち、いま改めて『Shall we ダンス?』を見た。パッとしない邦画ばかり目に付く現状では、『Shall we...
View Article『ブロックブッキング』の功罪
ブロックブッキングは、大手映画会社(今なら東宝、松竹、東映)が、約一年先までの配給計画を用意し、系列の劇場が配給計画に従って興行を行うという邦画界の特異なシステムである。この構造だと、仮にヒット作でもあらかじめ決められている上映期間で打ち切られるし、逆に評価の低い作品でも上映期間を確保することでそこそこ集客する。例えば『ゲド戦記』が○○万人動員したと言っても、ブロックブッキングで劇場数と上映期間を守...
View Article52型 プロジェクションテレビ
先日、52型のリアプロジェクションTVを思い切って購入し、今日届いた。ヤマダ電機で、45万円の店頭表示価格を33万円まで値切り、10%ポイント還元のところを15%に引き上げての購入だったが、交渉するしないで信じ難い差額(13万!)、やってみるものだ。リアプロジェクションテレビというのは、『液晶テレビ』でも『プラズマテレビ』でもない、第3のテレビ。と言っても、アメリカでは主流らしい。というのも、リアプ...
View Article浅井健一 『Jet Milk Hill to Sherbet Street』
先日、浅井健一氏の個展に行って来た。ミュージシャン以外にも、画家・詩人としての才能も天才級だ。と言って、一目瞭然、我流の表現なので、その道のプロがどう評価するのかは定かじゃない。でも浅井氏の表現は、音楽もそうなんだろうけど、技術体系に縛られない自由さの迸りに本領がある。芸術はそもそも、作家が自由を獲得する活動でもあろうけど、実は、芸術ほど様々な縛りが多い不自由な活動も珍しいんじゃないか。かえって、理...
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『パイレーツ~』は、ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイの3人を軸に展開する海賊アクション大作。この映画は前作も含め、ジョニー・デップ扮するジャック・スパロウ船長の立ち位置が絶妙。ハリウッド映画の場合、役者の人気の高さがそのまま物語における役割のウェイトに反映する。本シリーズでも断然ジョニー・デップが主役を演じるのかと予想される。だが、メインストリームのドル箱映画より作家性の強...
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『グエムル~漢江の怪物~』は、『殺人の追憶』のポン・ジュノが撮ったモンスター・パニック映画。ちょうどこの前ソウルに行ってきてばかりで、市内の中央を流れる大河、漢江(ハンガン)を目の当たりにしてきただけに、なるほどと実感できる部分も多かった。漢江はソウルのセーヌ河なんぞとも言われるようだが、大都市を貫く大河を映画の舞台にできるのは特権的な幸せであり、東京人にとっては羨ましい限りだと思った。ジャンルは違...
View Article『マイアミ・バイス』 マイケル・マン
来ました、今年一番ツボにはまった映画。うまく言えそうにもないけど、すごく新鮮な触感にあふれた映画だ。監督は、闘う男の美学を描かせたら右に出る者なし、と評されるマイケル・マン。代表作『ヒート』、『コラテラル』。CASTも豪華。マイアミ警察特捜課(バイス)の刑事コンビを演じるのは、人気・実力ともにうなぎ上りのコリン・ファレルと、『Ray/レイ』でアカデミー主演男優賞を獲得した黒人俳優・ジェイミー・フォッ...
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『小説の自由』に続く保坂和志の文芸批評。保坂自身は、「この本は文芸批評でなく、小説そのものである」と言っているが、その発言には疑問が残る。これは確かに普通の文芸批評ではないが、小説と言い切ることもできない気がする。いずれにせよ、読みでのある分厚い本だ。確かに保坂自身がソフトカバーであるにもかかわらず、このように自力で立つ!!「一晩で読んだ」「一気に読んだ」などと言わせない。それなのに税込み1995円...
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ここ2,3日ほど不眠状態だったが、眠い目をこすりながら頑張って『パプリカ』を観に行ったら、まんまと”夢”を題材にした映画だった。しかしこれが面白くて、逆に覚醒させられた。上映後にはすっかり、受付で『サントラ』と筒井康隆原作の文庫を求める男、になっていた。最近、『夢』を題材にした映画が多い。これには何かはっきりした意味がありそうだ。いやいや、それは今にはじまったことじゃない。昔から夢は映画の題材の宝庫...
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年が明けてもTUTAYA通いの日々が続く。11年ぶりの周防正行作品『それでも僕はやってない』に先立ち、いま改めて『Shall we ダンス?』を見た。パッとしない邦画ばかり目に付く現状では、『Shall we...
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ブロックブッキングは、大手映画会社(今なら東宝、松竹、東映)が、約一年先までの配給計画を用意し、系列の劇場が配給計画に従って興行を行うという邦画界の特異なシステムである。この構造だと、仮にヒット作でもあらかじめ決められている上映期間で打ち切られるし、逆に評価の低い作品でも上映期間を確保することでそこそこ集客する。例えば『ゲド戦記』が○○万人動員したと言っても、ブロックブッキングで劇場数と上映期間を守...
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先日、52型のリアプロジェクションTVを思い切って購入し、今日届いた。ヤマダ電機で、45万円の店頭表示価格を33万円まで値切り、10%ポイント還元のところを15%に引き上げての購入だったが、交渉するしないで信じ難い差額(13万!)、やってみるものだ。リアプロジェクションテレビというのは、『液晶テレビ』でも『プラズマテレビ』でもない、第3のテレビ。と言っても、アメリカでは主流らしい。というのも、リアプ...
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先日、浅井健一氏の個展に行って来た。ミュージシャン以外にも、画家・詩人としての才能も天才級だ。と言って、一目瞭然、我流の表現なので、その道のプロがどう評価するのかは定かじゃない。でも浅井氏の表現は、音楽もそうなんだろうけど、技術体系に縛られない自由さの迸りに本領がある。芸術はそもそも、作家が自由を獲得する活動でもあろうけど、実は、芸術ほど様々な縛りが多い不自由な活動も珍しいんじゃないか。かえって、理...
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